山科苑に来られてひと月が過ぎるユウさん
自分好みのぬか漬けをつくろうと
近くのスーパーに出かけて
どの野菜がいいか選別してなすよきゅうりを調達
そして自ら包丁を持って野菜を切り、
自分好みのぬかに調合して漬ける
一見よく見る風景ですが
ユウばあさんはひと月前までは老健の認知症病棟で
何も話すこともなく無表情に一人静かに車いすに座っている
そんなユウばあさんが
包丁を持ち
野菜を切り、立ち上がってぬかを漬けている
その表情はお母さんのような真剣で優しい笑顔である
入所面接ではとても想像もしなかった姿に
認知症ってなんなんだろう
人とふれあい、認められ、自分好みの生活ができてこそ
自分を取り戻すのかな